作成(採取編その7)

お城の跡地で、紫の花に囲まれ、ひっそりと生えて、風にたなびいていました。
お城の跡地で、紫の花に囲まれ、ひっそりと生えて、風にたなびいていました。

それでは次の作成へと行きたいと思います。

 

第7回目の植物はこちらです。

 

この画像は、家の近くのお城の跡地ですが、

この地だけでなく、

 

その他さまざまな道を歩いていますと、

至る所で、生えているのを見かけます。

 

 

この植物、ハーブティーでは「マルベリー」という、

馴染みのない名前がついていますが、

 

実はとても身近な植物で、

蚕の飼育に欠かすことのできない植物、

 

「桑」です。

 

お日様にあたって葉っぱが艶めいています。
お日様にあたって葉っぱが艶めいています。

桑の木は、蚕の餌となるため、葉を摘み取りやすいように、

 

または、

 

新しく、柔らかい葉を生やすため、こまめに剪定させるため。

(我が家の近くでは、夏場の除草の際についでに刈り取っているようですが)

 

木の大きさもあまり大きくない、2~3mくらいの株が多いですが、

本来の高さは、10~15mの高木となります。

 

個人的には、八王子の駅前の大通りの街路樹の並木が桑の木で、

その高さ、大きさにびっくりしたことがあります。

 

でかいです。
でかいです。
幹も太くしっかりとしていて、かなりの樹齢なのではないかと思いました。
幹も太くしっかりとしていて、かなりの樹齢なのではないかと思いました。
普通の街路樹のように見えますが、桑の木です。
普通の街路樹のように見えますが、桑の木です。

桑は、葉を蚕の餌に、実を食用にする事が多いですが、

それだけではなく、薬効もしっかりあります。

 

 

春の新芽や若葉も食用となり、

天婦羅や、湯がいて、ゴマやクルミ和えで食べることが出来る他、

 

葉を乾燥させて、桑茶にすることが出来ます

(東洋ではありますが、それこそ西洋で言う所の、ハーブティーですね)

 


 

マグワは、中国で最も用途の広い薬用木の一つとされており、

この品種の桑が、日本でも古くから健康茶として利用されてきました。

 

葉に含まれる成分に、糖分の吸収を抑える働きがあるため、

食前に飲めばダイエットに役立ち、

血糖値の上昇を防ぐので、糖尿病の予防にもなるそうです。

 

 

また、腸内のビフィズス菌など、善玉菌の働きを高めるので、

便秘の改善にも有効だそうで、

 

穏やかな解熱作用があることから、

子供が熱を伴う風邪をひいたときに飲ませても良いそうです。

 

その他の作用として、

 

血圧降下、強壮、抗菌、発汗促進、利尿、炎症作用があるそうです。


これらの様な効能のある植物を、早速採っていきます。

 

ここで、注意しなければならないのは、

 

この植物の種類の見分け方」です。

 

家の近くを歩いていますと、

桑の木と思われるものはたくさん生えているのですが

 

よく見ると、葉の形が少しずつ違っているものが散見されます。

 


画像左から、

 

・葉の切れ込みが、ほとんど無い物。

・葉の切れ込みが、通常の桑の葉に近いもの

・葉が、全体的に細長く、切れ込みが非常に強いもの

 

そして、これらは種類が違うものだと思われます。

 

昔から、絹を採るために蚕を飼い、

その餌として、桑の葉が用いられますが、

 

同じクワ科の植物で、楮や梶の木があります。

 


楮や梶、これらの木は繊維が丈夫で、

昔から、この木の皮を剥いで、繊維を糸として布にしたり、

更には和紙にして、それを不織布のようにして、衣類にしてきました。

 

 

徳島県の太布や、

 

奈良の東大寺で「お水取り」の行事の際に着られる紙布など、

神事祭祀にも使用される布です。

 


更には、紙を衣類として使用する方法の一つとして、

 

 

使用した和紙をリサイクルして、

紙を細かく切り、こよりのようにして、

糸にして、機にかけて織った紙布もあります。

 

紙で布を作るとなると、意外だと思われるかもしれませんが、

現在、日常で使用しているパルプの紙と違い、和紙はとても丈夫で、

 

様々な所で購入した和紙をブックカバーとして使用し続けても、

全く擦り切れることがない事でも実感しています。

 

カバンの中に入れて、ハードに使っていても擦り切れないです。
カバンの中に入れて、ハードに使っていても擦り切れないです。
こちらは、カスミソウの染色したドライフラワーが入っています。和紙にも様々な作り方があるようです。
こちらは、カスミソウの染色したドライフラワーが入っています。和紙にも様々な作り方があるようです。

そして、先ほどの3種類の葉の形が違うのも、

 

・楮(切り込みがほとんどない)

・桑の木(桑の葉らしい切り込みがある)

・梶の木(細長くて、切り込みが深い)

 

等の違いが特徴ではないかと思っています。

 

 

もともと、楮と桑は見た目がとても良く似ていて、

昔から私も、なかなか見分けが付かないなとは思っていました。

 

しいて言えば、

木の実の形状が違うのと、

葉の切込みがある、ない位かと思っています。

 

 

ただ、楮の木の若木は、葉に切り込みがある、という記載もあるので、

 

 

本当に、見分けるのが難しいです。

 

ただ、

 

梶の木とヒメコウゾの突然変異が楮だという記載もありますので、

 桑と、梶の木の違いをもとに見分けていくと良いかと思います。

 


このふたつの違いは、

葉の切込みの深さだけではなく、

葉の表面に覆われた、細い毛の状態が違います。

 

梶の木は・・・全体的に触ると柔らかく、短く細かい毛がビッシリ映えている。

桑は・・・・・全体的にバリっと硬く艶があり、細かい毛の生え具合も少ない。

 

このことと、先述した、楮が、梶の木とヒメコウゾの突然変異だという事を考えると、

 

楮の葉も梶の木の葉に近いのではないか?

 

と思っています。

(あくまで、私個人の推察となりますが・・・)

 


桑の葉には、糖分の吸収を抑える働きがありますが、

楮や、梶の木の効能の記載にはそれがなく、

 

血糖値の上昇を防ぐ目的で摂取しようと思う場合は、

きちんと見分けて採取する必要があります。

 

因みに、

 

梶の木は・・強壮、利尿

楮は・・・・涼血止血 、利尿、解毒

 

 

等の効能がありますが、

前述のように、桑特有の糖分の吸収を抑える働きが無いので、

 

それを目的とするためには、

しっかりと見極めて採取していくか、

ハーブ専門店で購入するなどしていくと良いと思います。

 

しっかりと見分けながら、摂取へと望みたいと思います。


様々な、クワ科の植物(フォトギャラリーVer.)

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桑の木は、硬く木目が美しいので、木工品としても活用されています。因みに、コースーターは、太布の一種の「シナノキ」で出来ています。
桑の木は、硬く木目が美しいので、木工品としても活用されています。因みに、コースーターは、太布の一種の「シナノキ」で出来ています。