それでは次の作成へと行きたいと思います。
第6回目の植物はこちらです。
前回もご紹介した通り、葉の部分には毒性が含まれているので、
②の本では、「山菜」として記されていますが、多食は厳禁となっています。
重複して恐縮ですが、
この植物には、青酸配糖体という毒成分が含まれているからです。
この毒を薬として、新芽の塩漬けが便秘薬として使われ、
また、枝葉を煎じたものが、打ち身や骨折の外用薬として使われ、
和名の「接骨木」はこれに由来するそうです。
そして、ニワトコの実も、薬用酒として効果があるとされているそうです。
ハーブティーとしては、「エルダーフラワー」と言われ、
木の枝や葉ではなく、花の部分を使用します。
①の本によりますと、
やはり、欧米でもこの木は薬用として活用しており、
リウマチの痛みや、咳や風邪、
外用として傷の手当てに使われるなど、
中世から万能ハーブとして親しまれてきたそうです。
ティーを熱いうちに飲むと、血液循環を刺激して、
発汗を促し、体の中の毒素を排出。
くしゃみや鼻水、悪寒といった、風邪のひき始めや、
花粉症の症状を軽減するそうです。
また、神経をなだめて感情を和らげる効果があるため、安眠効果もあるそうです。
「エルダーフラワー」には、「コーディアル」という、
花をシロップで漬け込んだものも市販されており、
私もたまに作っていますが、
シロップだけでなく、じつは、
「チンキ」
のような、ハーブ酒を作ることも出来ます。
アニスシードを使った 「アニゼット」
地中海各国で飲まれている酒。伝統的にはアニシードを蒸留することで作られ、
単にアニシードをアセレーション(浸漬)したものとは区別される。
【アニスシードは、【飲料(摂取編その1)】でも出てきましたね。】
等と共に、
エルダーフラワーを使った 「サンブーカ」があります。
イタリア特産のアニス風味のリキュール。
風味をつける原料には、アニス(anice verde=緑のアニス)やスターアニス(八角)
などが用いられ、
甘未成分は、1リットル中350g以上の高濃度の砂糖を含むものとEUの法で規定されている。
⑥の本によりますと、
通常のお湯から抽出するお茶は、
主に水溶性の成分となりますが、
アルコールによるものは、
水溶性と脂溶性の両方の成分を効率よく抽出出来るそうなので、
西洋では「チンキ」は昔から馴染みのあるモノのようです。
カクテルに使用される、
ジンやベルモット、アンゴスチュラビターズなどは、
ハーブを使用しています。
これらは、お酒の風味付けと共に、
植物の持つ有効成分を活用する目的もあるのではないかと思っています。
「ジン」
ジュニパーベリー、コリアンダー、シトラスなどのボタニカルが含まれています。
④の本によりますと、ジュニパーベリーには利尿、解毒作用、むくみを取ったり、
高血圧を和らげる効果がありますが、
グリム童話題材にした映画のパンフには、沢山食べると有毒だも記載されています。
「ベルモット」
ジンだけでなく、ベルモットにも使われるコリアンダーは、
④の本によりますと、
整腸作用、下痢の整腸、肝機能を助ける、風邪のひき始め、関節炎関節痛、
肩こりを和らげる効果があり、
ベルモットで、他に使用されることの多いナツメグにも、
下痢の整腸、めまいの軽減、ストレス緩和・不眠の改善の効果があるそうです・
更に、
③の本によりますと、
ベルモットに使われる「ニガヨモギ」は、「アルテミシア」という種に属し、
(紀元前353年の小アジアの、植物好きなお妃さまの名前が由来だそうです。)
この花のチンキは、
捻挫、傷、打ち身に効くそうです。
またリューマチの痛みを和らげ、しもやけにも効きますが、
これは、足に傷があるときは効かないそうです。
湯に垂らすと、リラックス効果のある足湯になりますが、
注意点として、
葉には毒素が含まれており、
他の草の成長を妨げ、雨に流れ出して、隣の草に悪影響を及ぼすそうなので、内服はしない
と、注意書きがあります。
は、ラム酒をベースに、原料の一つとして、非常に苦いとされている生薬の、
リュウタン(竜胆/龍胆)の根が使われています。
昔から、強壮剤や、消化促進などの薬用酒だったようです。
竜胆とは、「リンドウ」の事で、
中国では代表的な苦みのようです、
名前の由来も、
「薬として同じように扱われている熊の胆(くまのい)よりもさらに苦い」
という意味で名づけられたそうです。
苦味質は、口内の味覚神経終末を刺激し、
唾液や、胃液の分泌を高め、消化機能の改善、食欲増進
に役立つものと考えられています。
そのため、
リンドウの苦味は、
苦味健胃、消化不良による胃もたれ、食欲不振、胃酸過多に薬効があるとされています。
これらのリキュールの材料を見ていくだけでも、
エルダーフラワーのように、
「毒を薬に」
という、植物を上手く活用しているように思われ、大変興味深いです。
個人的に、植物の有効成分を摂取したいという思いと、
お菓子作りの際の風味付けや、カクテルの材料として、
更には、コーヒーのアレンジにも使われることもあるので、
ネットを参考に、自家製の
「サンブーカ」を作ってみたことがあります。
【作った時使用したスパイスと作った時の模様は、上記の、サンブーカの説明の画像を見て下さい。】
【「コーヒーのアレンジ(こんな楽しみ方があります)」】の
8-2の画像の三層になった真ん中の部分にサンブーカが入っています】
梅酒もそうですが、
作られた当初から、年がたつにつれ、味わいも少しずつ変化していき、
カクテルやお菓子作りの大切な一品となっています。
そんな風に、生活にも一つのアクセント、かつ、
有用な植物ではありますが、
ここで注意しなければならないのが、
この花を摂るときの天候です。
③の本にも書いてあるのですが、
この花は、天気の良い、乾燥した日に摘んだものを使うようにという事です。
花粉の中に刺激性の物質があるためというのが理由ですが、
たしかに、摘んでいる際にも花粉が手につくことがあります。
そこで、なるべく晴れている日、
そして摘んで花粉の付く花は、
振り払って、花粉を取り除くようにしています。
花は今までと同様、陰干しにしていますが、
干している間にも、案外細かい黄色い花粉が出ますので、
干した後は、ざるで漉して、花粉を取り除き、
花の部分だけを使うようにしています。
なるべく、マイルドな味わいになるように注意しながら、
花を干して、お茶にしていきます。