素材選び

糸一つ取っても、素材、紡ぎ方、染め方で、様々な表情を見せてくれます。
糸一つ取っても、素材、紡ぎ方、染め方で、様々な表情を見せてくれます。

紐の基の糸の素材、最適さを求めてそれをどのようして決めていくか

これも考え始めると、キリがありません…。

 

糸には素材とともに、どのような作りの糸を選ぶかという選択肢があります。

 

このことについて、

ここで一番分かり易いのが、

 

 

「とりあえず、場数を踏んでみる」

でも登場した、「カウチンセーター」です。


「とりあえず、場数を踏んでみる」

では、編み込みの方法について紹介しましたが、

 

実は、編んである糸そのものが、通常見慣れている

毛糸の糸の構造とは、少し違うのです。

 

カウチンセーターの糸は、このようになっています。

 

まるでものの見事に、撚りがない糸ですね。
まるでものの見事に、撚りがない糸ですね。

ほとんどねじれの無い、まるで綿を引き延ばしただけのような、糸です。

 

勿論、そのまま糸を引っ張れば、千切れてしまいます。

 

 

でも、編んでしまうと、しっかりしたニット地に仕上がりますよね。

ここで注目したいのが、一本一本の糸の密着具合です。

 

「カウチンセーター」を編むまでは気付かなかったのですが、

 糸には、

 

糸のねじれ(「撚り」と言います)が少なくても

糸同士の密着度が大きいければ大きいほど、編んだ後の糸が擦り切れにくくなる。

 

傾向にあるようです。

 

ですので、同じ繊維の糸であっても、

編み方、織り方が、

 

他の糸と、どれだけ密着しているか

 

によって、作った後の糸の「モチ」が違うようです。

 

                        [「紐づくり(様々な糸をどこに使うか)」にもどる


こちらは手作りです。

ヘンプ編みの方法で、「角四つだたみ」

という結び方です。

苧麻の手紡ぎの糸と、山ぶどうの糸

で作りました。

これだけ密着した編み方だと、

擦り切れにくくなりますね。

こちらは市販品です。

同じくヘンプ編みの方法で、「本結び」

をしながら石を包み、糸を結んでいます。

こちらは、

糸の密着していない結び方ですので、

丈夫な糸を使わないと、

擦り切れ易くなります。


毎日のように、使用していると…。

やはり、このように…。

何年も使い込んでいたため、画像右側の、本結びの石包みの糸が切れてしまいました。
何年も使い込んでいたため、画像右側の、本結びの石包みの糸が切れてしまいました。
急遽、アジアンコードの糸で同じものを作り直しました。糸が丈夫そうなので、安心感があります。
急遽、アジアンコードの糸で同じものを作り直しました。糸が丈夫そうなので、安心感があります。

具体的に言いますと、

例のカウチンセーターを私が作ってから、10年以上経過しています。

 

靴下で無く、トップスという摩擦の少ないアイテム、しかも冬しか使わない

という事もあるのかもしれませんが、

 

長期間トップスとして使用しても、傷むことの少ない編地であることは確かです。

 


今回は、コード編みで「紐」を作るのですが、

実はこれ、シンプルなメリヤス編みを

ひたすら4目ずつ編んで行けば出来ます。

 

前回のアンクルウォーマーを2色で編み込むよりも、

編む手順は、確実にシンプルです。

 

ただ、シンプルなだけに、ややこしくなることが少ないです。

 

「アンクルウォーマー」を作っていた時の、

 

編み込みにおいての

「編む、を深く」というのは、この、「材料、道具のシンプルさ」

と比例するのかもしれません。

 

真逆を目指したいと思った理由(わけ)です。

 

「編む、をシンプルに」ですので、

 「材料、道具を深く」を、

反比例に、少しこだわって行きたいと思っています。

 


今回の紐づくりでは、様々な糸を使用したいと思っています。

 

 

 

 

 

 

①…機械紡績糸の、薄い色の藍染めverです。

 

 

 

 

 

①…機械紡績糸の、濃い色の藍染めverです。

 

 

 

 

 

 

 

②…手紡ぎ、藍も自家栽培、自家藍建て染めの

糸です。

苧麻という麻の一種を手紡ぎしました。

 

 

 

 

 

 

③…市販で購入しました、山ぶどうの糸です。

染めていない、天然の樹皮の色です。

 

 

 

 

 

 

④…とある、木綿の手紡ぎの出来る施設にて、

糸に仕上げました。

藍染めは、藍の紫染めにしました。

 

 

①藍染めの、機械紡績の木綿糸(濃い目の色と、薄めの色2色あります。)

②藍染めの、手紡ぎの苧麻の糸

③山ぶどうの蔓からできた糸(市販の品です)

藍の紫染めの、手紡ぎの木綿の糸

 

 

 

(④の手紡ぎ糸は、直接、埼玉県にあります木綿の手紡ぎを体験できる所に伺って、

 教えてもらいながら紡ぎました。

 その施設については、上の色の違うところをクリックしてみてください)

 

(①は、東京都八王子市の染物屋さんで染めたものですが、

 ②と④の藍染めは、自分で育てた藍で染めたものです。

 八王子市の染物屋さんについては、上の色の違うところをクリックしてみてください)

 


これら4つの糸を、糸を作る過程から、

少しずつ紹介していきたいと思っています

 

 

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