紐の基の糸の素材、最適さを求めてそれをどのようして決めていくか。
これも考え始めると、キリがありません…。
糸には素材とともに、どのような作りの糸を選ぶかという選択肢があります。
このことについて、
ここで一番分かり易いのが、
「とりあえず、場数を踏んでみる」
でも登場した、「カウチンセーター」です。
「とりあえず、場数を踏んでみる」
では、編み込みの方法について紹介しましたが、
実は、編んである糸そのものが、通常見慣れている
毛糸の糸の構造とは、少し違うのです。
カウチンセーターの糸は、このようになっています。
ほとんどねじれの無い、まるで綿を引き延ばしただけのような、糸です。
勿論、そのまま糸を引っ張れば、千切れてしまいます。
でも、編んでしまうと、しっかりしたニット地に仕上がりますよね。
ここで注目したいのが、一本一本の糸の密着具合です。
「カウチンセーター」を編むまでは気付かなかったのですが、
糸には、
糸のねじれ(「撚り」と言います)が少なくても
糸同士の密着度が大きいければ大きいほど、編んだ後の糸が擦り切れにくくなる。
傾向にあるようです。
ですので、同じ繊維の糸であっても、
編み方、織り方が、
「他の糸と、どれだけ密着しているか」
によって、作った後の糸の「モチ」が違うようです。
[「紐づくり(様々な糸をどこに使うか)」にもどる】
毎日のように、使用していると…。
やはり、このように…。
具体的に言いますと、
例のカウチンセーターを私が作ってから、10年以上経過しています。
靴下で無く、トップスという摩擦の少ないアイテム、しかも冬しか使わない
という事もあるのかもしれませんが、
長期間トップスとして使用しても、傷むことの少ない編地であることは確かです。
今回は、コード編みで「紐」を作るのですが、
実はこれ、シンプルなメリヤス編みを
ひたすら4目ずつ編んで行けば出来ます。
前回のアンクルウォーマーを2色で編み込むよりも、
編む手順は、確実にシンプルです。
ただ、シンプルなだけに、ややこしくなることが少ないです。
「編む、をシンプルに」ですので、
「材料、道具を深く」を、
反比例に、少しこだわって行きたいと思っています。
今回の紐づくりでは、様々な糸を使用したいと思っています。
①…機械紡績糸の、薄い色の藍染めverです。
①…機械紡績糸の、濃い色の藍染めverです。
②…手紡ぎ、藍も自家栽培、自家藍建て染めの
糸です。
苧麻という麻の一種を手紡ぎしました。
③…市販で購入しました、山ぶどうの糸です。
染めていない、天然の樹皮の色です。
④…とある、木綿の手紡ぎの出来る施設にて、
糸に仕上げました。
藍染めは、藍の紫染めにしました。
①藍染めの、機械紡績の木綿糸(濃い目の色と、薄めの色2色あります。)
②藍染めの、手紡ぎの苧麻の糸
③山ぶどうの蔓からできた糸(市販の品です)
④藍の紫染めの、手紡ぎの木綿の糸
(④の手紡ぎ糸は、直接、埼玉県にあります木綿の手紡ぎを体験できる所に伺って、
教えてもらいながら紡ぎました。
その施設については、上の色の違うところをクリックしてみてください)
(①は、東京都八王子市の染物屋さんで染めたものですが、
②と④の藍染めは、自分で育てた藍で染めたものです。
八王子市の染物屋さんについては、上の色の違うところをクリックしてみてください)