本格的に作り始める前に、あと一つ申し上げたいことがあります。
(前置きが長くて申し訳ありません。)
それは、「紐の構造」です。
私個人の考えですが、日常生活に使用するにせよ、
何かしらの「モノ作り」をするにせよ、
この「紐の構造」と更に「使い勝手」を
意識するようなことは、多少なりともあるものです。
例えば、新聞紙を束ねるとして、
皆さんは、どのような紐を使いますか?
私は100円ショップに売られている「ビニール紐」を使用しますが、
その「ビニール紐」も、特に「撚り」のかかっていない物を選んでいます。
なぜなら、束ねてそのまま引き取ってもらうだけのために、
所定の場所まで(短距離)
移動させる事のみが目的だからです。
これが、さらに重みのある、しかも「長距離」移動であれば、
話は変わってきますよね。
しっかりと撚りが掛かり、ある程度強度のあるモノを求めるでしょう。
さらには、その移動させる対象物の重さが、体に負担とならないように、
持ち手に加工をしたり、様々な工夫をすると思います。
(労力と、時間、手間が掛かりますね)
このように、目的に応じた、
更には、目的に程よい構造の、
適度な品物(この場合は「紐」)を求めていく。
これは、その紐そのものの構造を知らなければ、
なかなか見出すことはできないと思っています…。
と、いう事ですので、(経験不足ではありますが、)
「紐」の構造を改めて記して、
「紐」について再確認したいと思います。
「紐」を、国語辞典で改めて調べてみました。
硬い印象の辞書も、くだけた俗語も表記してくださいますが、
今回は、俗語以外の表記のみを、参照させて頂きたいと存じます。
「物を、結び、束ねるため、布、紙、皮などで細長く作ったもの。
糸よりも太く、綱よりも細い」
角川書店さんの数十年前の辞書ですが、とても興味深い一文だと感心しました。
(改めて、「目から鱗」状態でした)
まず、第一に「紐」というものが、
「結び、束ねられなければ意味がない」
と、はっきり明記されているからです。(大事なことですね)
「紐が、紐として、(紐の役目を適度に労力少なく)果たす事」
これには、
「目的がある対象物を、目的達成のために、」
(綱じゃ太すぎるし、糸では細すぎるのですね)
という意味も含まれていると思います。
「結び、束ねられなければ意味がない」
けれども、
「どのように作るのが合理的か」
(太すぎず、細すぎず)
そのために、
「布、紙、皮 などで、細長く作ったもの」
それが、「紐」なのですね。
アウトドアに興味のある方なら、ご存知でしょうが、
この、
「結べるか、結べないか」
タープというモノを、簡易テントとして活用するには
とても大切なことだったりします。
居住性を高めるためにも、
必要不可欠なものではないかと思っています。
私は、デニール数の少ない薄手の長方形の布を使っていますが、
(30デニールです。)
果敢にも、ブルーシートでタープ泊を試みている方がいらっしゃいます。
(この張り方も、その方を参考にさせて頂きました。)
詳しくは、こちらの動画をご覧ください。
始めにブルーシートタープ泊を知ったのは、こちらの動画です。
あわせてご覧下さい。
正直、「ロープワーク」という事を意識するまでは、
「紐」について、
さらには、「構造」について、「目的」について具体的に
考えることはなかったのですが、
昔から、繊維を糸にして、それで様々なモノ作り等をして経験したことを
(主に失敗した経験…)を思い返してみると、
「新聞紙の束を、束ねられる適度な太さで、結ぶことが出来て、
持ち上げ、運べるくらいの強度があれば。」
これを「紐」に対して、日常生活において最低限、
皆さんが求めている事だと思いました。
「三つよりロープ」は、
前にもお話ししました、今現在、私が使用している
ペンダントの紐のような構造です。
「繊維を撚り合わせて糸にしたもの」を三つ使って、
更に撚り合わせた構造となっています。
キンクは、一度できてしまうと、強度が極端に落ちるそうなので
注意しなければなりませんね。
対して、「編みロープ」は、
繊維を撚り合わせた糸を編んだものです。
「三つよりロープ」と比べると、柔らかくて作業がし易く、
よじれ(キンク)が起きにくいそうです。
扱いやすいのですが、やはりニットという事もあるのでしょう、
伸びやすく、そして、強度は「三つよりロープ」より劣るそうです。
それでは、この二つのロープのどちらが良いのか?
それは、その使う時の目的あっての事なので、
一概に、これが良い悪いではないと思っています。
「新聞紙の束を作るのに何が良いのか?」
皆、誰しも、無意識に束ねている
ビニール紐(ポリプロピレン)にも、
長所や短所があるように、
「三つよりロープ」「編みロープ」共に、
長所や短所があります。
それをきちんと理解したうえで、
状況に応じて、選んで使いこなす。
…そんな風になりたいです(まだムリですが…)
※どちらも共に、引張強度です。
麻 乾燥…5.7
湿潤…6.8
PP 乾燥、湿潤共に…4.0~6.6
こうしてみると、麻もかなり丈夫ですが、
ある程度の長さで、つなぎ合わせなければならないステープルの麻と、
どんどん長くフィラメントを作り出せるPPを比べると、
結び目のないPPの強度は、
紐として、撚りを掛けなくても、
とても強度が強いのだと思いました。
だからなのでしょう。
撚りのかかっていないビニール紐が、
ちゃんと新聞紙の束を持ち上げられるという事は。
そして、そのことに気づくことも出来たら、
手作りとは?について、
次の事も、考えられるのかもしれませんね。
※因みに、紐は結べるところまでが役目ですので、
体に負担の無いように持ち上げ、運ぶには、もう一工夫した方が良いみたいです。
(例の、適当に買ったリュックの例もありますので。)
紐に、それ以上、さらに役目以上を求めるのは、
やはり今までの経験上、厳しい事と思います。
私は、新聞紙の束を持ち上げ、運ぶために、このようなものを使っています。