前回は、「機械紡績糸(薄い藍染め)」の後の、
「(市販)山ぶどうの蔓で作った糸」を、
レース糸との二本取りで編んでみて、
ペンダントヘッドに通らなかったので、
諦めた。
というところまでご紹介しました。
それでは、「紐づくり」そのものを諦めたのかといいますと、
そんなことはありません。
今回の私の作りたいものは、
ペンダントヘッドの紐であり、
作られる紐が、ペンダントヘッドを支えられる(摩擦を含めて)
強度さえあれば良いのではないかと思っています。
(ご安心ください。私はこの紐に対して、新聞紙の束を運べる強度を求めていないのです)
ですので、山ぶどうの糸は、
ペンダントヘッドの位置よりも左側にあれば良い。
という事になります。
(ペンダントヘッドは右側から通していきます。)
ここで、本来四番目に編むべき糸を
二番目に編むことにして、
次は、苧麻の糸で編んでみました。
この糸は手紡ぎですが、
手加減を少しずつ変えて績んでみた糸です。
(実は、三つの糸玉に分かれています)
・第一の糸は、績んだ糸そのものが太い。
・第二の糸は、績んだ時の糸は少し細いが、つなぎ目が太い。
・第三の糸は、績んだ糸も細めで、つなぎ目も細い。
これらの三つの糸を編んでみますと、
第一と第二の糸で編んだ紐は、ペンダントヘッドを通りませんでした。
手紡ぎの糸は、糸そのものの太さに注意を払わなければならない
だけでなく、
繊維と繊維をつなぎ合わせる部位、
そこにきちんと注意していかないと、
目的のペンダントヘッドには通らないのです。
第三の糸で編んでみた所、
なんとか、紐がペンダントヘッドに通ってくれました(感動)
・・・こうしてみますと、
目的があったうえでの、糸の太さの見極めは、
糸の性質、績み方や太さによって、
達成できないこともあるという事が分かります。
手紡ぎの糸を、
目的の「強度、太さ」にしていくためには、
「経験してみて、対応していく」
これを繰り返していくしかないのかもしれません。
ですので、
「程よい加減=いいかげん」
で、
とりあえず作ってみて、
改良点を見出しながら、次の工程を考えていく。
その繰り返しで、紐を作っていくことで、
完成まで進めていきたいと思っています。
日頃何気なく使っている、市販の糸の凄さを感じるのは
こういう時ですね。