染色

なるべく濃い抽出液で染めたいので、電動ミキサーのミルを使って、粉を細かく粉砕していきます。
なるべく濃い抽出液で染めたいので、電動ミキサーのミルを使って、粉を細かく粉砕していきます。

(写真左下から時計回りに)

 

染色用ざる

染色用鍋

染色用バケツ

ミキサーのミル

染色用晒(上にのっているのは、染色用の箸です)

※今回の染色用材は,

コーヒーという食材ですので、気にしないのであれば普段使っている鍋やざるで

okです。

 


ついに、下準備が終わり、染色に入ります!

 

まず初めに、染液を煮出すための染め剤の準備をしますが、
やはり、同じ量の染め剤であっても、布や糸の染まりが良くなるように、

出来るだけ濃い色の染液を抽出したいものです。

 

その為に考えられることは、

 

・コーヒー豆を細かく挽くこと。
・高温で抽出すること。
・お湯に対する粉の比率を、大きくする事。

 

 

などです。

 

今回は、「染色のために、色の濃いコーヒー液を抽出するため。」という考えで箇条書きにしましたが、

これらは、飲むための好みの濃さを考える上でも、「ある程度は」大切な要因だと思います。


コーヒーのドリップをしていると、つくづく園芸の水はけと、似ているなーと思います。因みに生えているのは、藍染めに使われる藍です。
コーヒーのドリップをしていると、つくづく園芸の水はけと、似ているなーと思います。因みに生えているのは、藍染めに使われる藍です。

・コーヒー豆を細かく挽くこと

 

豆を細かく挽く…これによって、お湯と接する豆の表面積が広くなり、抽出量が増えていきます。

 

また、園芸をされる方であれば、ピンとくる方もいらっしゃるかと思いますが、
土の粒の粗い赤玉土と、土の細かい粘土質では、どちらが水はけが良いでしょうか?

 

水はけが良いと、水はすぐに鉢底から流れ出ていきますよね。

 

それと同じように、

 

粗く挽いた粉は、お湯を注いでもすぐに粉を通り抜けて流れていくのに対して、
細かく挽いた粉は、お湯を注ぐと表面に溜り、暫くたってから、ゆっくりと下に流れていきます。

 

その為、流れ落ちた抽出液は、細かく挽いたほうが濃くなるのです。

 

(ただ、ゆっくり抽出すればするほど、味が良くなるとは限りません。

あくまでも、染色用材としての考え方です。)


・高温で抽出すること

 

抽出温度が上がると、すべての成分の移動量が増えるため、高温であれば、抽出液は濃くなっていきます。

 

(ただ、高温で煮出し続けると、コーヒーそのものの持つ風味は無くなっていきますので、
味わいとは別に、あくまでも染色用の考え方として捉えていく必要があるかと思います。)


・お湯に対する粉の比率を、大きくする事

 

ここで考えるのは、


お湯:粉

 

ということだけではなく、


染色対象物:お湯:粉

 

という考え方も必要なのではないかということです。

そもそも、染色というものは、染めたいものがあっての染色なので、

 

染めたいものが、染められる環境内に身の回りを準備できるか
を前もって考えること。

 

具体的に言えば、あまりにもたくさんの布や糸を、小さな鍋で煮て大丈夫なのか?(焦げる?)

ということです。

 

ですので、

 

始めに自分の染めたいものを考えて、

 

それに対応できる鍋のサイズを考慮しながら、水を張り、適量のコーヒーの粉の量を考えること、

 

当たり前と言えば、当たり前のことですが、

 

よくご飯を作りながら、様々な食品を焦がしがちな私としては、

この「段取りを組む」ことも忘れてはいけないことだと思っています。

 


草木染の染色は、以下のような割合を参考にしています。

 

 

「生の花や葉」
染める量の5倍で、2~4回煮出す

 

「生の根や木の皮」
染める量の2~5倍で、4~6回煮出す

 

「乾燥した草木」
染める量と同量~2倍で、4~8回煮出す

 

 

つまり、生の草木は、大量で煮出す回数を少なく
    乾燥するにつれて、少量で煮出す回数を多く

 

していく感じです。


これらは、あくまでもコーヒーを「染めるための染料として捉えた濃さ」とする事
を前提として記しています。

 

前述したように、飲むための濃さにも参考にはなりますが、

それは、一部の面のことと、きちんと把握しておく必要があると思います。

 

風味や味わいは、また別の考え方も必要となりますので、

前述した方法のみで、

抽出した液体が、自分好みの味となるとは限りません。

 

…それだけコーヒーの抽出は、奥の深いものなのですね。


具体的なやり方

①コーヒー豆を染色対象物と同量~2倍、ミキサーのミルを使って細かく粉砕する(飲んだ後のコーヒーの粉を一緒に入れてもよい)

鍋に粉を入れ、染色対象物が浸かる量の1/8~1/4位の水を入れて、火にかけ、沸騰してから約20分煮込む。

②染色用バケツの上に染色用ざるを乗せ、上に染色用晒をかける。

煮込んだ染液を、晒の上から流し込み、バケツに染液を漉していく。

③しっかりと染液を漉し取り、晒の中の粉を鍋に空ける。

 

これを、4~8回繰り返す。

 

十分な量の染液が取れたら、しっかりと冷ます。


④糸のカセを軽く水で湿らせた後、染液の中に入れる。

コンロ点火。

始めは小まめに糸を天地返しをする。

煮立ったら、蓋を半分ずらして火を弱める。

途中15分で1回天地返しをして、30分煮る。

 

 

 

⑤蓋をしたまま、一晩染料を染み込ませる。


昨日、「キュウリの即席漬け」

を作りました。

 

新聞のレシピなのですが、

「手早く炒めて味浸透」というキャッチコピーがありました。

 

通常の即席漬けですと、常温での漬物なので、味の浸透には時間がかかります。(大体2~3時間)

 

その点、ごま油で炒め、

キュウリを高温にしてからお酢や醤油に浸すと、

10分で味が浸透するということです。(美味しかったです)

 

漬物でもそうであれば、染色も。

 

高温で煮込み、一晩じっくり、

染液を浸透させていきます。


ごま油で炒めた後、お酢、醤油を加えて10分漬け込むだけです
ごま油で炒めた後、お酢、醤油を加えて10分漬け込むだけです
程よい味付けですが、翌日まで漬け込むと濃すぎる味付けになるので、この料理は、10分で丁度いいです。
程よい味付けですが、翌日まで漬け込むと濃すぎる味付けになるので、この料理は、10分で丁度いいです。