今回、5種類の糸を使って紐を作り上げていきますが、
紐のどこに、どのような種類の繊維の糸を使おうか、
これも悩みどころです。
今まで、
効率や、使い勝手の悪いものを
沢山作ってきましたので、
その、ひとつひとつの経験を、
無駄にしないような、
そんな紐にしていきたいと思っています。
ここで、私が一番重視したいのが、
「肌触り」です。
もともと、カレン族の、
「大きくて重いペンダントヘッドを、安心感のある紐で支えたい。」
この思いで作り始めるわけですので、
首回りが、
ザラついたり、チクチクしたり、
そういう質感を出来るだけ避けたいと思うのです。
そして、二番目に重視したいのが、
「耐久性」です。
「素材選び」の時にも申し上げましたが、
繊維を細くし、撚りをかけたものたもの(つまり糸)は、
糸同士の密着度が大きければ大きいほど、
編んだ後の糸が擦り切れにくくなるという性質があるようです。
つまり、使用する上で、
摩擦による擦り切れを、どのように改善していくか、
これを考えていく事が大切だと思っているのです。
それでは、今回のモノ作りにおいて、
どこがその擦り切れに注意していかなければならない箇所かと言いますと、
やはり「ロープワーク」を行う所だと思っています。
テントやタープなどの張り綱を、
テンションを維持させやすいように、
結び目を前後に自在に移動することのできる結び方です。
上の画像は、「素材選び」のときにご紹介しました、
アジアンコードを、本結びにして石を包んだストラップです。
使用するときに長さを調節しやすいように、「自在」に結んであります。
ハーフヒッチ一回の後に、ハーフヒッチ三回で、
使用目的によって、長さの調節が出来ます。
結び目が移動しやすいという事は、
その近くは、結び目によって摩擦が生じやすいという事になります。
ですので、その付近には摩擦に強いと思われる繊維を
使っていきたいと思っているのです。
これら2つの事を考慮しまして、
今回の紐は、
このように作っていきたいと思っています。
首回りについて、色々と考えてみた所、
首の後ろより、前側の方が
肌触りに考慮していきたい箇所かと思います。
そこで、
ペンダントヘッド付近になるべく手紡ぎ糸を使用して、
肌触りを良くして、
後ろ側の「自在結び」を行う個所に、
摩擦に強い機械紡績糸を使っていきたいと思っています。
もう一点、今回の紐づくりにおいて申し上げるとすれば、
使用している繊維がすべて、
「通常の洗濯洗剤で洗える」
という点です。
過去にご紹介しました、
でも記載しましたが、
シルクやウール等の、たんぱく質を含む繊維には、
日常使われている石鹸は、
アルカリの成分で、たんぱく質を破壊してしまうため、
通称「おしゃれ着洗い」と言われることもある、
「中性洗剤」を使用しなければなりません。
私だけかもしれませんが、
シルクやウールのような洗濯に手間のかかる繊維は、
「日常の洗濯には使用しない、
使用するとすれば、それは衣替えの時のみ」
そのような人もいらっしゃると思います。
そのような、
日常生活において、
それほど洗濯に掛ける時間や手間を掛けたくない。
そういう考えの方には、
今回は、たんぱく質を含まない繊維を使う
という考え方も、選択肢に含むなどを、
繊維選びの、一つの参考として頂きたいと思います。
この糸選びの選択肢が、正しいのか否かも
判らない状況ではありますが、
兎に角、チャレンジしていきたいと思っています。