糸染めのページでもお話ししましたが、
毛糸は、毛糸玉のままだと上手く染める事が出来ません。
そこで、糸の表面積を広くして、染まりの良くなる
「カセ」にする必要があります。
そして、
その「カセ」のままだと、編むためには、糸が絡まって、
上手く編み進めることが出来ません。
そこで、「カセ」を毛糸玉に戻して、編みやすくする
必要があるのです。
あたりまえといえば、当たり前のことですが、
如何せん、
糸は糸です。
扱い方を間違えると、すぐに絡まってしまいます。
そして、案外、
その「扱い方」を気に留めてない方は、多いのではないでしょうか?
私は、少し糸に触れただけで、絡めてしまうことが多いので、
むつかしいことは何とも言えませんが、
それでも、目的達成のために、
適正な状態に、糸の巻き方を変えていくことは
基本中の基本だと思っています。
そしてこれは、糸そのものを理解する上でも、大切なことです。
「絡まりやすい糸で、作業をする」という事を、具体的に書いていきたいと思います。
絡まり回避の為に、自分なりに必要と思うものは何かと考えますと、
こちらです。
後は、少し丈夫な糸を数メートル用意すれば良いと思います。
(ミシン糸だと細すぎて、繊維によっては、作業中に糸が切れてしまう恐れがある為、
手縫い糸etcの太い番手の物が良いと思います。)
それでは、写真の道具をどのように使うかと言いますと、左下のようになります。
糸は、同じ高さで巻き付けるよりも、1度高いところに持ち上げてから
巻き取ったほうが安定します。
そこで、糸を高いところまで持ち上げるための、簡易的な「糸通し」を作るわけです。
写真の丸い輪は、私は100円ショップで購入しましたが、
「糸が通せて、その糸を傷めない造り」であれば、何でもいいです。
輪を固定しているのは、「カラビナ」です。
これを使用すると、家中の至る所で取り付け可能となりますので、使用しています。
が、これもご自分の家の構造上、
適度なやり方で工夫されると良いと思います。
①市販の毛糸玉は、
必ず糸の中心を
探って、
引っ張り出すようにしましょう。
②家中、至る所を探し回って、
程よい高さのところへ、
糸通しを取り付けます。
糸通しに、毛糸を通します。
③通した糸端を、
トンボのひとつに結び付けます。
④全体図は、
こんな感じです。
⑦最初にトンボに結び付けた糸と
巻き取った最後の糸です。
⑤そのまま、トンボを廻して、
糸を巻き取っていきます。
⑧ふたつを、玉結びにします。
⑥無事に、
巻き上げることが出来ました。
⑨絡まり防止の糸は、
ミシン糸よりも、
番手の太い糸が適しています。
⑩絡まり防止の糸を、
玉結びにしたところのすぐ近くの
糸の束の真ん中辺りに通します。
そのまま、
その糸をクロスさせます。
⑪クロスさせた糸を、
反対側の糸の束に、
上下に渡して、八の字に
糸の束を固定します。
少しゆとりを持たせて、
固定します。
⑫ ⑧と⑪の糸、
合計4本を結び付けていきます。
⑬ ⑫と対角線上の糸の束に、
絡まり防止の糸を
⑩、⑪のようにして
結び付けます。
⑭トンボは畳むと、
糸の束が、
取り出しやすくなります。
⑮毛糸玉を、
無事に、
「カセ」にすることが出来ました。
①染め終わった糸を、
(写真は染めてないですが、染めたと仮定して)
再びトンボに取り付けます。
②羽を広げてセットします。
③カセを解きやすくするため、
写真のように横に広げて、
ねじれの無いよう、
全体的に整えます。
④先ず初めに、
2本結んだ糸を、鋏で切ります。
⑤次に、
4本結んだ糸を、鋏で切ります。
⑥4本結んだ糸のうち、
始めと終わりの糸を手に持ちます。
⑦2本の糸を引っ張っていくと、
どちらか一方が、解きやすい
事に気づきます。
(それが、終わりの糸です)
この「終わりの糸」から巻き取って行くのです。
⑧「始めの糸」を、トンボの1つの
羽に、結び付けます。
⑨糸を絡ませないように注意しながら、
「終わりの糸」から巻き取っていきます。
⑩無事に、最後まで巻き取ることが
出来ました。
⑪ ⑧の「トンボ」に結び付けた、
「始めの糸」を外して、
毛糸玉の完成です。
今回は、「トンボ」を使った
糸巻きをご紹介しましたが、
少し時間は掛かりますが、
椅子の脚や、背もたれを使って
カセ状に巻いていっても大丈夫です。
兎に角、染めるために
表面積の広いカセを作って、
糸を染める事を体験できれば、
やり方は、時間にはあまり
関係ない事ですものね。
ただ、絡まらないカセを作ることを、心掛けてください。