(写真左下から 時計回りに)
食品用ボウルと食品用ざる、食品用晒
カセットコンロ(オプシォンとして遠赤外線金網)その上にお湯を沸かすケトル
ミキサー
銀杏煎り器(ふたを固定するクリップ付き)
軍手(火傷防止です)
秤
食品用の箸
おそらく、「銀杏煎り」に馴染みのない方も多いかと思いますが、
この「呉汁」についてもあまり馴染んでいない方は、多いと思います。
そして、
この「呉汁」という言葉、知っておられる方でも、
「染色の呉汁」を連想する方と、「料理の呉汁」を 連想する方に分かれるのではないかと思います。
水を加えて柔らかくした大豆を,ミキサーなどで潰して
ドロドロの状態にし、それを漉した物(つまり豆乳のこと)ですが、
それでは、なぜこの液体を染色の下準備に使うのか?
それは、今回の染色対象物の素材が、木綿だからです。
天然染料を使用する場合、染色しやすいのは、ウールやシルクのようなたんぱく質を含んでいる繊維です。
その点、木綿はたんぱく質を含んでいません。
そのままでは染まりが悪いので、改めて「畑のお肉」である大豆のしぼり汁を繊維に含ませて
染色効果を上げる作業を行うのです。
これを「呉汁処理」といいます。
それならいっそ、手間も一つ減ることだし、ウールやシルクで染めたら?
とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ここで「銀杏煎りを活用する」という、私なりのこだわりが発生します。
折角「銀杏煎り」があるのであれば、それを様々な方法で使い込なしたい。
それに、木綿であれば、洗濯が楽・・・
これらのことがあったればこそ、あえて今回の染色繊維を「木綿」にしました。
そもそも、「呉汁」の「呉」が、大豆を1晩水に浸して、ミキサーなどでドロドロの状態にしたもので、
その「呉」を入れた味噌汁(御御御付)【←読めますか?】 が、「料理の呉汁」なのです。
様々な地域で、郷土料理として古くから食べられてきたものです。
獣肉を食べる機会のなかった江戸時代には、これこそ貴重なたんぱく源となっていたことかと思います。
これらは敢えて、「乾燥大豆」でご紹介しています。
なぜなら、「乾燥大豆」もコーヒーの生豆と同様、長期保存が可能だからです。
しかし、「乾燥大豆」は柔らかくするのに時間が掛かるものです。
通常であれば、前日から水に浸し、当日1時間ほど煮なければならないものですが、
「焙煎のやり方」でもお話しした通り、大豆は炒ってから煮ると、煮えが早いのです。
当日10分煎って、後は30分程煮るか、お湯で浸すだけです。
ですから、前日、ついうっかり、大豆を水に浸し忘れた方でも、
「銀杏煎り」があれば、当日に染色や飲食のために、大豆を柔らかくする事が可能です。
しかも、染色でも、煎られた豆の香ばしく、かぐわしい「おから」を手に入れることができます。
ということは、その日の晩御飯にその煎りおからで、「呉汁」や「卯の花」を楽しむことが出来ます。
「ご自分の時間配分のリズムを崩すことなく、無理なく、無駄なく、もう一品…」
これによって、染色以外でも活用の幅が広がります。
※乾燥大豆には、「煎り豆」という食べ方があります。
今回の「呉汁処理」には、こちらの
豆農家直伝‼「煎り豆の作り方」(リンクを張らせていただきました)
も参考にしました。
サイト内で、大豆の販売も行っているので、是非ご覧になってみてください。
※※呉汁の「呉」は、世界史で習った、
ギ、ゴ、ショク
の「ゴ」ではないみたいです…。(三国志…)
①乾燥大豆を洗って、銀杏煎りへ入れる。
大豆の量は、染色対象物100gに対して、大豆10g。
②カセットコンロ点火。
火力を弱火にして、10分程煎る。
(強火だと苦味が出易いので、
弱火で、少し遠火でもいいかもしれません)
③煎った大豆をボウルに移し、
熱湯を注ぐ。(後でお湯ごとミキサーに掛けるので、少し多めの水でもいいかもしれません)
そのまま、30分程放置。
④ミキサーへお湯ごと入れて
かくはんする。
(呉ができる)
⑤ボウルの上にざるを重ね、晒をのせる。
ミキサー内の呉を空けて、晒の中の呉汁を漉しだす。
下の写真のように、
「豆乳」と「おから」に分かれる。
⑥呉汁を糸が浸るくらいまで薄めて、糸を30分ほど漬け込む。
⑦糸を絞り、洗濯機の脱水のみ行う。
(急がない方であれば、脱水なしで干してもokです)
⑧しっかりと干す。
(たんぱく質でコーティングされているので、長めに干したほうがかぶれないと思います)
※呉汁には数回浸けたほうが、染色効果が上がるという人もいます。
お好みで、2~3回浸けても良いかもしれません。
「大豆イソフラボン」
というだけあって、大豆の中には栄養素がたっぷり含まれています。
特に女性の方は、摂取することを日常生活で意識していくことが大切かと思います。
前から、手のしびれを感じていた私は、最近新聞の記事によって、女性ホルモンの周期的な変化が原因かもしれないと思い始め、
積極的に大豆を摂取することを心掛け始めました。
「おから」を食べることによって、食物繊維など、
豆乳や豆腐を食べる以外の栄養も、補足的に取り入れることができると考えています。
染色の下準備でなければ、上の④の呉の状態で、
漉さない呉汁を、一品作ることができます。
左の写真のようにタッパに入れて保存しておいて
好きな時に適量、お味噌汁の中に入れると、定期的に大豆の栄養分を、まるごと摂取できます。
右の写真は、ナスとあぶらげを入れましたが、ナスの水溶性のナスニンも
効率よく摂取するには、汁物が手軽かと思います。
水溶性のナスニンが汁の中に溶け込みましたので、皮の紫はすっかり赤茶けました。
こちらは漉してあります。
漉した「おから」で晩御飯の一品を。(新聞のレシピです)
更に、豆乳でおやつを作りました。(サイトのレシピです)
どちらも作ってみたかったレシピでしたので、
銀杏煎りで、当日作れるかの確認とともに、
二品作ってみました。
(乾燥大豆は50g焙煎しました)
写真右側の、 「豆乳のババロア(黒蜜付き)」は午前中に、
左側の、 「おからの豚肉と根菜煮」は夕方に、
時間差を活用すれば、二品いけました。
「具体的なやり方(染色)」⑤の段階で「おから」と「豆乳」のそれぞれで調理しますと、
大豆の栄養を余すことなく、二品もできますね。
(因みにババロアは、4個作ることが出来ました)
こちらは、呉汁にもしていません。(手間が一つ減りました)
カレーの中に、ひき肉と、②の段階の、煎った大豆と牛蒡が入っています。
日本のカレーは、粘り気とコクのある日本のお米に合わせてブレンドされてあるので、風味がとても強いものです。
コーヒー豆が焙煎具合によって味が変わるように、大豆も焙煎を深くすると苦味やコクが出てきます。
大豆を深めに焙煎して、豆の風味を強めにするのもいいかもしれないと思い、
深煎りの大豆で作ってみました。(豆が茶色くなっているのが判ると思います。)
「コーヒーのアレンジ(こんな楽しみ方があります)」の[しもつかれ]と比べてみてください。
その時の料理に合わせて、大豆の焙煎度合いを変えてみるのも良いかもしれませんね。
新聞を読んでから、
女性の方は特に、体内の中で日々変化するエストロゲンの補足として、
大豆を継続して、適量摂取することの必要性を痛感しました。
因みに、「大豆イソフラボン」は水溶性なので、これを軽減しながら積極的に摂取したい方には、
呉汁の他に、
前述した、豆農家直伝‼の「煎り豆」や、 「蒸し大豆」も効果的と思います!
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リンクを張りましたので、具体的な蒸し大豆の作り方はこちらをどうぞ